夏に下見してきた平標山に行ってみた。
この日は春の複数低気圧が過ぎ、天気予報的には行楽日和のはずだったのだが月夜野から先は雪であった。クローズしたはずの赤沢ゲレンデにもしっかり雪がついている。いよいよ冬がやってきた！…かのような不思議な景色だった。
最近遭難騒ぎが頻繁にあるので、こんな日に山に入って良いものか？と迷ったが、駐車場には既にクルマが沢山ある。別にこれが身の安全の保証にはならないが、少なくとも先行者のトレースはあるという事だ。まあ、行ける所まで行ってみよう。
ところで今回は新兵器を使用。山板の穴に紐を通してをソリにして曳く。
これはラクだし、初めて行う正しい使い方だ。これによって体力を節約できたと信ずる。
実際速かった。
そんな遊びも林道までで、沢に入るとツボ足ではきついのでシール登行開始。
歩き始めは湿った春の雪だったが、登っていくと徐々に雪はサラサラになった。シールのグリップがよろしくない。時折表面雪をゴソっと剥がしてもがくが、古い層との密着はさほど悪くなさそうな感じだ・・・４月なのに新雪だというのも凄いのだが。
登り行程の他のパーティー。こんな日にも結構人は入っている。
高度を上げると徐々に風が強くなる。天気予報では今日は回復のはずだったし、天気図で見てもこの辺は高気圧に覆われていると思ったのだが、ガスは晴れず風が強い。体感的には１月２月と変わらない。天気の回復を期待して登るが、広葉樹帯から針葉樹に変わった頃、風が一向に止まないので、ムリヤリ稜線に出ても意味は無いと判断、下山とする。
滑り方を思い出す間もなく降りてしまった感じだったが、景色が開けると、隣の谷間に巨大な雪崩の跡が見えてきた。
中央下に人が写っているのでスケールが想像できますでしょうか？
この雪崩は大変興味を惹いたのでデブリに近寄ってみる。
これまた写真を縮めてしまうとスケール感はまったくわからないのだが、
間近で見た感じはとてつもない。雪崩れた跡の斜面に積雪が無い。もしかしたら昨日あたりのものだろうか？
弱層云々言う以前に、これは表面全部がこそげ落ちている。凄まじい。
雪塊をストックで突いてみると岩のように硬い。
雪崩の合間に、圧雪車が通ったようなスムースな痕跡が見られる。硬い雪が押し流された跡だろうか？
こんなものに巻き込まれたら命どころか死体すら無くなってしまうのではないだろうか？ と思われた。
苗場のすぐ近くにこんな荒々しい大自然があるという事には考えさせられた（苗場でも雪崩は起きるが…）。